「生きていくためのデザイン。
生きる世界を変えたデザイン。」
いったい、どんなことだろう?
と気になった時は既に会期も終盤、
ギリギリになったが、会場のミッドタウンを訪れてみた。
「世界を変えるデザイン展」
http://exhibition.bop-design.com/
会場入り口の趣旨説明が明確だ。
「先進国におけるデザインは、世界総人口のほんの10%を
対象にしているに過ぎません。
これからのデザインは、その他90%の人々のニーズに目を向け、
彼らの生活水準を向上させ、自尊心に満ちた生活を提供する使命を
もっていると、私たちは考えています。」
「1日の平均収入が2ドル以下の発展途上国の人々に対して、
デザインができることは何か。どんなデザインが求められているのか。
会場の成功実例から、その答えを見つけていただければ幸いです。」
また、作品を見る前に世界の「変えるべき課題」が並べられる。
例えば、発育不良と成人肥満に関する統計チャートが事実を突きつける。
(しかし、アメリカってば。。。)
展示は、8つのカテゴリーに分かれて、構成されている。
●WATER
●FOOD
●ENERGY
●HEALTH
●HOUSING
●MOBILITY
●EDUCATION
●CONNECTIVITY
一番わかりやすいのが、入り口すぐの
このウォーターローラー“Q Drum”だろう。
子供のチカラでも、ロープを引いていくことで
50リットルの水を転がし、運ぶことができる。
電源のない、または電気を自由に使えない地域で役立つのが無限にあるソーラーパワー。
“Solar Cooker”は、「そこに無数にある電源」を最大限活用する。
そしてまた別のソーラーパワー活用例がこれ。
太陽の熱と紫外線で水を殺菌するというもの。
しかし、よく見ると、これはただのトタン板。
そう、これはデザイン・プロダクトではなく、
デザイン・アイディアなのである。
カテゴリーごとにテーブルにデザインやアイディアが展示されている。
これらの多くは政府から無償提供されたり、慈善団体が製作したり。
商業的に利益を得るものではないから、へえ~、これだけのものが
こんな値段でできるんだ、とちょっとした驚き。
「世界を変えるデザイン」とは、やはり人が変わっていかないと生まれないものだろう。
会場はこのミッドタウンと飯倉方面のAXISギャラリーと2箇所で開催。
6月13日までだったが、是非、また開催して欲しい。
驚きと発見があり、しばしそこに立ち止まり、色々と考えさせられたデザイン博であった。
2010年、夏、海外からも色々なメンバーが終結して、
8つの課題に即したプロジェクトが続々と始動するらしい。
“GROUND+A”
Aとは
Action(行動),
Alliance(チームワーク)、
Appropriate(適切なソリューション)
を意味する。
宿泊施設も含めて、その拠点となったのが、千葉県鴨川。
GROUND+A KAMOGAWA PROJECTが間もなく発信するらしい。
何がどう展開され、どう参加できるのか、現時点ではまだ公開されていない。
以下に準備サイトがあったので、興味のある方はどうぞ。
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