以前、青山のとあるイベントでお会いしたKさん。
初対面から、一気に宇宙論まで話が盛り上がったのを
記憶している。

雑誌GQの編集者でもあり、一個人としても尊敬できる
価値観、行動力、そして暖かさが呼び寄せた人脈を持つ
Kさんの自宅兼オフィスのお披露目パーティーに
お邪魔した。

何年ぶりだろう、降り立った下北沢。
マクドナルド横を通り、ひたすら南下すると
あのザワザワした感じのなかに新しいお店も
たくさんできていた。

地図によると・・・
賑わいのあるエリアから住宅エリアに入った
一角にその自宅(兼オフィス)はあるはず。

コンビニの角を曲がって、
自宅らしき一軒家を探していると
なにやら環境音楽が響いてくる。

振り返るとそこには大きなスクエア状の建物。
住宅街の中に、まさに「忽然と現れた」という表現が相応しい。

「え、、、  まさか、、、 ここ?。。。」

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どうみても看板も窓もないレストランバーか
はたまたハイブロウなブティックか。

環境音楽の正体は、管楽器、弦楽器奏者のコラボレーションであった。

「お久しぶりです!」の挨拶のあと、Kさんにひととおりぐるりと
案内していただいた。

本格的な引越しはこれからということで、まだ家具などは一切ない。
それがこの空間の個性をはっきりと伝えてくれる。
いつくものスクエアなブロック空間の組み合わせを通路と階段がつないでいる。

まだ何も置いていない、コンクリートと木と畳で構成された異空間を上下に結ぶ
階段を見ているとふとエッシャーの世界に入ってしまった錯覚をおぼえる。


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決して派手派手しい主張はしないのだが、
圧倒的な存在感、センス、質感。

Kさんの人柄が表れている。


外ではコンビニやスーパーの袋を抱えて通り過ぎる地元の人々も
しばし足をとめ、建物を見上げる。
「あら、レストランかしら?」
「バーじゃない?」

ほろ酔いのカップルに「何ができたんですか?」と聞かれ
説明すると、「じゃ、ご近所さんね。混ざっちゃおう!」と
階段を昇っていった。

ヨコ文字系と見える方々が多く、メキシコや
ベルギーのビール、またはシャンパングラスを片手に
ライブの環境音楽をバックに談笑する光景は、
どうみても商業スペースのオープンパーティーだろう。

でもここはKさんの自宅(兼オフィス)なのだ。
*ここ↓がKさんの机が置かれる場所。

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宴もたけなわとなり、パフォーマンスがはじまった。

Kさんのたくさんの仲間に囲まれ、こちらのブロック空間で、
ブロック空間の間の「家の中の屋上交差点」付近で、
秘密兵器?とも呼べる意表をつく展開だ。

シタールの演奏と共に進行していく生け花アレンジメント。


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ギターの演奏と共に歌い上げていくセッション。

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構想から10年。

自宅では家族が感性豊かに暮らしていくだろう。

オフィスでは全く新しいクリエイティブな発想がうまれる予感。


「おめでとうございます!」の言葉と一品を持って
続々と集まってくる人々。
友人やら、仕事関係やら、近隣の方々まで、様々な人々。

照れながらも、満面の笑みを浮かべたKさんにとって
この日は人生最良の日(のひとつ)だったに違いない。


*南の島Bar計画で、こうやって集まっていただく構想は
もう15年になるが、まだまだ構想というか妄想を引っ張っている自分
(苦笑)からすると、まさに理想を現実にしたひと。
Kさん、これからもご指導、宜しくお願いします。。