ひさびさに洋楽Barの話題。

と言っても、事件が起きたわけではない。

深夜残業になると帰路への切り替えに寄ることが多い。


25時半。

新橋の雑居ビルの3Fまで階段を上がっていく間に、開けっ放しの
ドアから心地よい音楽が流れ落ちてくる。

「ども~。」 「お、まいど。」
短いあいさつをすませる。

ここのお客さんは割と男ひとりが多い。

ここでマスターと友達になり、お客さん同士も顔馴染みになる。

先日はJさんが既にバーボンのロックを楽しんでおり、
ボクがマイヤーズのロックで参加してしばらくすると
Sさんがバドワイザーのボトルで参加・・という感じだ。

会話の合間にそれぞれがお好みのリクエストを入れる。
他の人の曲を聞いて、そうくるなら、これがあったな、とか。
その間はマスターが空気を読んだ選曲でつないでくれる。

ある曲は○○の□□とフルでオーダーし、
ある曲は○○の・・あ~、曲名出てこない。とマスターに助けてもらったり。

ある時など、ボクはアーティスト名、アルバム名、曲名とも度忘れ。
頭の中に曲は鳴っていて、ビジュアルはまぶたに映っている。

ブラック系の男性が踊っているシルエット、バストアップぐらいのサイズで、
ジャケット全体の背景はオレンジ~茶色系なんだけど。。
と、独り言のようにマスターに言うと、
「もっしかして、コレですか?」
と、Soul II SoulのKeep on Movin’を出してくれた。

BOSEのスピーカーから流れ出るMUSICと、
それぞれお気に入りのALCOHOLと、
カウンターに昇るCIGALETTEと。
ラックを埋め尽くすCDと。

色々なことを抱えている男たちも
ここでは洋楽好きの元少年たちだ。

そして僕らなりの共同リスニングルームでは
みな元少年の目になっている。

音楽はこんなマジックもかけてくれる。

みんなそれぞれの時間に
マジックにかかりにくる。

最も心地良い時間の過ごし方のひとつだ。