早朝6時。

薄明るくなってきたのだろうか。
まだ朦朧としている。

眠りを遮ったのは携帯のバイブだ。

携帯は会社、個人の2つを持っている。

なんだろう、こんな時間に。
誰だろう、こんな時間に。

半分寝ながら携帯をチェック。

会社の方じゃない。

え。。。個人の方でもない。

ええっ。 目覚まし?
いや、仕掛けていない。
なにがどこで鳴ってるんだ。

朦朧とした中で、判断力が冴えない。

ズズズ ズズズ。
鳴り続けるバイブ。

音の聞こえる方向を探る。

カバンの中だ。

カバンには古い個人の携帯がひとつ入っている。
PHSからVodafoneに替えた時、電話帳が転送できないので、
かといって、マニュアルで全て打ち込みなおすのも面倒で、
いざという時に見られるように持っていたのだ。

つまり。。

もうとっくに契約は解除になっている。



着信アリ。

深夜残業が続き、眠気が勝り、とにかく
この音を止めたい、という欲求が、
どうして契約切れの電話が鳴るんだという
恐怖に勝っていた。

おそるおそるカバンからPHSを取り出す。

2つ折りタイプの携帯を  
ゆっくりと・・・開く。

「10月27日 6:00AM」



一年前のその日に仕掛けた目覚ましであった。

緊張の糸がプツリと切れ、二度寝したのは
言うまでもない。。^^;